マグロの養殖とバランスの取れた漁業

マグロは1年に大体10㎏ぐらい成長する非常に成長の早い魚です。実際、天然のマグロがどの程度食べて大きくなっているかはわかりませんが、養殖マグロの場合では1㎏太らせるのに、10㎏以上のエサを必要とします。つまり、養殖マグロを1㎏大きくさせるのに、10㎏以上のサバやイワシなどが必要になるということです。わざわざマグロのエサにしかならないような、小さいサバやイワシを大量に漁獲し、冷凍し、トラックで運び、マグロのエサにしています。凍らせるのにも、トラックで養殖地へ運ぶためにも、化石燃料を消費し、二酸化炭素を排出しているのです。

 

単純に非効率的だなと感じてしまうのは、私だけでしょうか。

どうしてこのようなことが行われるかというと、単純にマグロをいつでもどこでも食べたい人が多いからなのです。世の中に需要があれば、企業は供給しようとするわけです。

こういった事業が悪いと言いたいわけではありません。もちろん、このような事業を行うことによって、生活できている人がいるし、人々の生活を豊かにするわけで、そのものを否定することはできません。

しかし、サバやイワシもそのままで非常に美味しくいただける魚なので、うまいこと資源管理していきながら、美味しい時期に獲って食べるのが極自然な気がします。

ある程度効率良く獲ること(魚がいなくなるほど獲ってしまうのは問答無用でなし)で、人々に安く美味しいものを届けられることも重要なのですが、間違いなく言えることは、「いい按配」というのが大事で、何事もやりすぎは良くない。